佐々野寄の日記

数学、ソフトウェアまたはそのほか

読書感想文「スーパーエンジニアへの道」

ワインバーグの名著「スーパーエンジニアへの道」の

読書感想文です。

 

 装丁が古めかしいです。けれども素晴らしい本です。

 どういう人に向けて書かれているか

最も有益なのは、エンジニアになりたての時期を過ぎて

初心者ではなくなってきた人たちです。

入社して数年たって後輩ができたあたり。

これからテクニカルリーダとか呼ばれるような仕事に就く人には最適です。

それ以降の人たちにとって、つまり、いますでにテクニカルリーダの人とか

マネージャ的な仕事をやる人とかが読んでも心に刺さってきます。

 

私自身は、入社三年目くらいのとき、どう人を指示するのか

手探りでやっていた時期に読みました。

ドンピシャの時期に読んだことになります。

 

何が書かれているか

「リーダーシップはセックスと似ている」

という文章で始まるこの本に何が書かれているかを書くのは

とても難しい。いや、難しくはない。リーダーシップについて

書かれているのだけど、だからと言って、それでこの本の内容を

説明したことにはならない。

 

多くのエンジニアにとって、

リーダーシップ、マネージメントは、

はからずもやらなくてはならないことに違いない。

多くのエンジニアは職業的にコミュ障だ。仕事自体が一人で完結することが多いため

他人のやることにかまけることが嫌いな人が多い。

 

こんな感じの、ちょっと読みずらい嗜虐的な文章が螺旋を書くように

書かれていて、その章の主題が何かをすぐに忘れてしまう。

この文章だけに惚れ込んで内容なんかどうでもいいとさえ言える。

 

だから、そういう文章美の集大成とこみで、この本の内容だ。

(ある種類の人たちにとっての)素晴らしい文章で書かれたリーダーシップ

くらいが、この本の紹介文で合っていると思う。

 

読むべきですか?

私自身は何度も読み返している本だし自分自身の本質的部分を形作っている

ものと思っているので読むべきと思う。

他の人もそう思うかと言うと分からないというのが正直な感想です。

資格を取れるわけでも、新しい言語や技術を覚えられるわけでもありません。

 

でも、何かに行き詰ったときとか、仕事に疲れたときとか、

PMP死ねとか思ったときとか、会社やめたいと思ったときとか

に読むと、もしかしたら何かの気づきが得られるかと思います。