恒等式の問題(1) まずは問題と代入法
恒等式の問題から始める数学の考え方
と題して、記事を始めてみます。どのくらい書けるか今のところ不安ですが、
とりあえず書き始めてみます。
問題
まずは、問題です。
$$
x^3=a(x-1)^3+b(x-1)^2+c(x-1)+d
$$
が$x$に関する恒等式となるように定数$a,b,c,d$を求めよ。
以下の組み立て除法をくりかえす解法Xが私の知る一番簡単に解ける方法です。
まぁ、そんな解法はずっと後にやります。いまは基本からたちかえってみるのです。
解法X
まずは、教科書に書いてあるだろうことから始めます。
恒等式の定義
恒等式とは何か。定義は覚えていますか?
思い出しましょう。初めての人、忘れている人は、以下を見てみましょう
定義
多項式$P(x),Q(x)$に対して、
$P(x)=Q(x)$が恒等式とは、
$P(x)=Q(x)$が$x$に任意の実数を代入しても成立することを言う。
「任意の」という言葉は何を指すのか、というと、$x$に何を代入しても
$P(x)=Q(x)$が成立することを言います。
つまり、$x=1, 2, 3, \dots$を代入しても$P(x)=Q(x)$が成立します。
$P(1)=Q(1)$,
$P(2)=Q(2)$,
$P(3)=Q(3)$, $\dots$がなりたつ。
もちろん、正の整数だけでなく、負の数、分数、無理数などあらゆる実数を代入しても成り立ちます。
$P(-1)=Q(-1)$,
$P(\frac12)=Q(\frac12)$,
$P(\sqrt{2})=Q(\sqrt{2})$, $\dots$が成り立つのです。
では、これを利用して問題を解いてみましょう。
定義がこれだと言っているんだからこれで解いてみるのは初手として何も間違っていないでしょう。
$X=1,2,3,-1$を代入して連立方程式ができるので、それを解けばよいです。
解法1(代入法)
この解法が、いちばん計算しているでしょう。
これから、この問題の他の解法を見つつ、そこに潜む数学を説明していきます。